グーグルの人事として働いている著者が書いた本
グーグルがなぜ、どう動いているかの著者なりの解釈を書いた内容
第1章 創業者になろう
自由度が高い - 自由裁量権を与えられる
トップダウン、階級制、指揮統制を特徴とする経営モデル - 自由度が低い環境は消えてなくなる
グーグル的アプローチでは、権力と権威をマネジャーから社員へ譲り渡すように意識している。
グーグルのマネジャーが自分の一存では下せない決定の一例
誰を雇うか
誰を解雇するか
ある人の業績をどう評価するか
ある人に関する昇給、ボーナス、株式付与をどれくらいにするか
優れた経営手腕への褒賞を誰に与えるか
コードはどの時点で、ソフトウェア・コードベースに組み込める品質となるか
どうすれば業績が改善するか
- 企業が社員に権限を与えるプログラムを実行したとき、仕事に必要なこと以外を学ぶ機会を社員に提供したとき、社員のチームワークへの信頼を高めたとき、あるいはこれらの施策を組み合わせて実行したとき。
第2章 文化が戦略を食う
グーグルがどんな仕組みで動いているのか、あるいはグーグルでこうした経営手法を選ぶのかを理解するには、グーグルの文化を定義する3つの要素の探求する必要がある。
ミッション
グーグルのミッションは、簡潔で多くのことが話題になっていない
ミッションは事業目標ではなく道徳
透明性
いかなる情報も共有できないと想定するのではなく、あらゆる情報はチームと共有できると想定すること。情報の制限は意識してようやくやるべきことであり、そうするには十分な理由がなければならない。オープンソースにおいては、情報の隠蔽はカウンターカルチャーなのだ。
「社員は我が社の最大の資産」だというなら、オープンを原則としなければならない。
発言権
会社の経営方針について、社員に対して実際の発言の機会を与えることを意味する
グーグルの人事慣行の多くは、社員からの発案によるもの
社員にアイデアを表明する権利を与えることは、質の高い意思決定を促し、組織効率を高める重要な要因
社員に遠慮なく話してもらうと、意思決定の質、チームのパフォーマンス、組織のパフォーマンスに対してプラスの効果がある
議論しやすい環境を作る
人は動機づけでパフォーマンスは変化する
OKR ( Objectives and Key Results: 目標と主要な結果 )
第3章 レイク・ウォビゴンの幻想
採用に時間をかける
自分より優秀な人物を雇え
賢いというだけで雇ってはならない
第4章 最高の人材を探す方法
あらゆる社員をリクルーターに変えるべく、人材の紹介を依頼すること
最高のネットワークを持つ人々に優秀な人材の確保にもっと時間を割いてもらえるように頼む
積極的に人材を探すための実験を行うこと
最高の人材の注意を引くために、突拍子もないことも恐れずやってみる
第5章 直感を信じてはいけない
- 第一印象を与えるチャンスは一度だけ(最初の5分)
あなたは受験者を評価したいだけでないということ。彼らがあなたと恋に落ちるようにしたいのである。受験者に素晴らしい体験をしてもらい、関心事を語ってもらい、人生で最高の1日を過ごしたような気分で帰ってもらいたい。
グーグルで成功するかの4つの明確な属性
一般認識能力
当然ながら、新たな状況に学んで適応できる、頭のよい人材が欲しい
求職者が実生活において困難な問題をどう解決してきたか、どう学ぶか
リーダーシップ
- 創発的リーダーシップ
グーグル的であること
愉快なことを楽しむ
ある程度の謙虚さ
きわめて誠実
曖昧さを楽しむ余裕がある
職務関連知識
自己複製する採用マシーンをつくるには?
- 求める人材の質の基準を高く設定する
- 妥協はいけない
- 自分自身で採用候補者を見つける
- 採用候補者を客観的に評価する
- 採用候補者の部下や同僚になる者を面接に加える
- 採用応募者に入社すべき理由を伝える
第6章 避難所の運営は避難者に任せる
- 最高のグーグラーは、理にかなう場合には自分の判断でルールを破る
- マネジャーは権力を蓄え、行使する傾向にある
- 社員は命令に従う傾向にある
- グーグルでは肩書以外でヒエラルキーを表したり強化したりしたりするものを排除した
- 最上級幹部であっても新入社員と同じ便益、特典、資源しか受け取らないということ
- 権力の象徴や権力者のような態度を最小限に抑えるだけでなく、マネジャーの意見ではなく、データにもとづいて意思決定する
- 社員が自分の仕事や会社の指針を定める方法を見つける
- 期待は大きく
第7章 誰もが嫌う業績管理と、グーグルがやろうと決めたこと
- 評価や報酬ではなく、個人の成長に焦点を合わせることによって業績を改善する
業績評価のために - 目標を正しく設定する - 同僚のフィードバックを集める - 報酬についての話し合いと人材育成についての話し合いを分ける
第8章 トップテールとボトムテール
- 成長のためのフィードバックと評価のフィードバックは絶対に分けるべき
- 困っている人に手を差し伸べる
- 最高の社員をじっくり観察する
- 調査やチェックリストを使って真実をあぶりだし、改善するよう社員をせっつく
- 自分のフィードバックを公表し、至らなかった点について改善するよう努力して範を垂れる
第9章 学習する組織を構築しよう
- 学習に費やす時間の長さではなく、時間をどのように費やすかが重要
- 状況を確認しながら、小さな修正を重ねて改良する
- 反復と集中
- 行動を変えるプログラムに投資する
- 組織やチームの学習効率を上げる方法のひとつは、学習するスキルを細かい要素に分けて、具体的なフィードバックを即座に返す
- デリバレイト・プラクティス(熟考した練習) - 講義をしやすい量に分割して、明快なフィードバックを提供し、繰り返し学習する
- 社内で最も優秀な人を教師にする
第10章 報酬は不公平でいい
- 報酬について
- 報酬は不公平に
- 報酬ではなく成果を称える
- 愛を伝え合う環境づくり
- 思慮深い失敗に報いる
- 公平な報酬とは、報酬がそのその人の貢献と釣り合っているということ
- インセンティブや目標達成も重要だが、熟慮した上でリスクを取る行為自体も賞賛すべきだ。失敗したときこそ賞賛しないと、誰もリスクを取らなくなる
- 社内の摩擦を恐れず、不公平な報酬を払う。パフォーマンスのべき分布を反映して、報酬の決め方に幅を持たせる
第11章 タダ(ほぼタダ)ほどステキなものはない
福利厚生のプログラムなど
- グーグルの社員を対象とするプログラムには3つの目標がある
- 効率を高め、
- コミュニティを形成し、
- イノベーションを促すことだ
- イエスという理由を見つけよう。社員の提案を認めれば、より活気にあふれた楽しい職場になり、生産性が上がるという見返りがあるだろう
- 社員の生活の負担を減らす
- 人生で最悪の出来事はめったに起こらないが、起きた時は社員に寄り添う
第12章 ナッジ/選択の背中を押す
- 所属する組織の大きさにかかわらず、環境を作る際は熟慮した方がいい。目的は社員に自分の人生をよりよくしようと思わせることだが、そのために彼らの選択肢を奪うのではなく、よい選択をしやすい環境をつくるのだ。
- 「である」と「であるべき」の違いを理解する
- 小さな実験を数多く行う
- ナッジは強制ではない
第13章 人生は最高のときばかりじゃない
失敗に直面したとき
- 自分の間違いを認め、隠そうとしない
- あらゆる方向に助言を求める
- 壊れたものは修理する
- 間違いから教訓を学び、それを伝える
第14章 あなたにもあしたからできること
自由度の高い環境を手に入れるために、チームや職場を変える10のステップ
- 仕事に意味を持たせる
- 日々の業務を超越して、自分がやっていることを忠実に反映するアイデアや価値観と、仕事の目的を結びつけよう。
- 人を信用する
- 人間は基本的に善だと信じるなら、信念にしたがって行動する。
- 小さなことから始めよう
- 自分より優秀な人を採用する
- 採用の質で妥協することは、間違い
- 客観的な採用基準を持つ
- 発展的な対話とパフォーマンスのマネジメントを混同しない
- つねに発展的な対話を心がけ、安心と生産性につなげていこう
- 「2本のテール」に注目する
- 会社やチームで最も優秀な人を観察してみる
- 最も優秀なプレイヤーを手本にチェックリストをつくり真似てみるだけでなく、教師になってもらう
- カネを使うべき時は惜しみなく使う
- 報酬は不公平に払う
- ほとんどの仕事のパフォーマンスはべき分布に従う
- 褒めるときは公の場で惜しみなく褒める。チームの業績を称え、重要な教訓を学んだ失敗にエールを
- ナッジ ― きっかけづくり
- 高まる期待をマネジメントする
- 楽しもう (1に戻って繰り返し)
人事オタクのためのあとがき
4つの基本原則にのっとってピープル・オペレーションズを気づいてきた
- ニルバーナを追いかける
- データを使って未来を予測し、形作る
- 飽くなき向上
- 型にとらわれないチームづくり